聴き手が傾聴のときに話し手の話の内容から受ける負のオーラの処理方法について

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カウンセラーや聴き手はクライアントや話し手に対して傾聴をしていると、話の内容があまりにも重すぎて、気持ちが引っ張られてしまい、辛さを感じてしまうという方が結構いらっしゃいます。特にカウンセラーは共感力が優れていて、繊細かつ敏感な方が多いので、ついつい一緒になって落ち込んでしまい、自分の心が負のオーラに襲われてしまうなんてもことあります。ただ、これだとカウンセラーや聴き手としては本末転倒です。クライアントや話し手もそんなことを望んではおりません。

 

私自身はどうだったかと言えば、クライアントや話し手の話を聴いて負のオーラが襲ってくるということはほとんどありませんでした。確かに最初の頃は、重たい話を聴くとやっぱり
心が引っ張られたり、引きずったりしたことも多少はありました。しかし、そういうことで悩むということはありませんでした。

 

そこで今回は、聴き手が傾聴のときに話し手の話の内容から受ける負のオーラについてどのように向き合えばいいのか、私自身の体験を踏まえながらご説明いたします。これを読めば、カウンセラーや聴き手の精神面を保ちながら、気持ちよく傾聴をすることができ、クライアントや話し手も安心して話をする気持ちになります。

目次

どうすれば心が引っ張られることなく、傾聴ができるのか?

カウンセラーや聴き手が穏やかに傾聴をするための前提条件

まず前提条件として必要になるのは、アメリカの心理療法家であるカール・ロジャーズもご指摘しておりますが、「カウンセラーは自分自身に誠実であること」です。これはクライアントや話し手に対してではありません。カウンセラーや聴き手はありのままの自己でいれば十分であるということです。要するに、カウンセラーや聴き手は今聴く状態でなければ、クライアントや話し手の話を聴かなくてもいいということです。

 

頑張って聴こうと思えば聴けるのかもしれませんが、あえてカウンセラーや聴き手が無理しても聴けないのです。カウンセラーや聴き手は自分の心の声を無視して、義務感で対応することでもないのです。「カウンセラーは自分自身に誠実であること」クライアントや話し手に対しても誠実であることに繋がります。クライアントや話し手を欺くことだけは避けなければなりません。

 

「カウンセラーは自分自身に誠実であること」これはカウンセラーや聴き手の自己一致になります。こちらが傾聴をするための前提条件となります。

カウンセラーや聴き手が傾聴力を上げていくこと

前項の前提条件をクリアしてから考えていただきたいことがあります。それは、カウンセラーや聴き手が傾聴力を高めていけば、心が引っ張られて負のオーラに襲われることはありません。これは100%断言できます。もっと具体的に言えば、カウンセラーや聴き手が自分自身に対して傾聴が出来ているということです。

 

まず、傾聴ができるということは、大前提としてカウンセラーや聴き手自身が自分の心の声をちゃんと聴けないとクライアントや話し手の心の声をちゃんと聴くことはできません。傾聴してあげると傾聴してもらった人が癒されるのと同じで、カウンセラーや聴き手自身が自分の心を傾聴すれば自分自身が癒されます。要するに、傾聴力が高い人ということは他人だけでなく自分に対する傾聴力も高い人ということなのです。

 

また、辛いときだけ心の声を聴こうと思っても聴くことはできません。日頃から、何もない日常生活の中で自分の心の声を傾聴する習慣を身に着けておくことで負のオーラに襲われても自分の心を傾聴しやすくなるのです。地震が来てから安全な避難場所を見つけるのは意味のないことで、地震が来る前に安全な避難場所を知っておいた方がいいのと同じことです。

私の体験を通して、カウンセラーや聴き手として具体的にすべきこと

それでは具体的にカウンセラーや聴き手が傾聴力を上げるために何をすべきかと言うと、日頃から判断や行動をする前に何においても自分の「感覚」を確認してから選ぶことです。モヤモヤしたときや何か気になったときなどに、自分の「感覚」が動いた場合、すぐに考え始めるのではなくまず自分の感覚の確認をするといいです。これがいわゆる「気持ちを傾聴する」ということです。

 

普通、人は気になるとすぐ「行動」や「思考」をしようとします。でもその手前には必ず「感じる」という行為があるのですが、そこにあえて足を止めたり目を向ける習慣などありません。言ってみれば、気持ちを無視しながらみんな生きているのです。

 

私個人としては、日常的に感じることに集中して、どういう感情であるのか確認するという習慣があります。ポジティブな感情、ネガティブな感情という具合に分けるのではなく、すべての感情に意識を向けることを日常的に行っています。これは自分が自分のカウンセラーになっているということです。これ以外にも、信頼のおける同僚カウンセラーに話を聴いてもらっています。

 

これは内的にも外的にも自分自身をサポートすることに日々集中していることになります。こういう日々の心のトレーニングをすることで、自分自身の心の状態を把握しているのです。こういうことが出来てくると。例えばクライアントや話し手、そしてそれ以外にも相談を持ち寄ってくる人などの話を自分自身と分けて聴くことができるのです。言い過ぎかもしれませんが、いい意味で人の話を他人事として聴くことができます。

 

カウンセラーや聴き手は、クライアントや話し手の話を他人事として聴くことが出来れば、カウンセラーや聴き手としては一流です。この境涯にまでたどり着くことが出来れば、負のオーラに支配されることは全くありません。

 

併せて、傾聴とは?の記事もご覧ください。

 

 

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  1. 2021 04.22

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