傾聴とは?~傾聴の意味や使い方、例文をビジネスの場面から解説します

この記事は12分で読めます

傾聴を受けている男性

人とのコミュニケーションを取る上で、相手の話に耳を傾けること、

つまり「傾聴」が大切であると一般的に言われています。

 

最近、特に様々な場面で傾聴が注目されていることからも明らかですね。

 

ところが、傾聴が「単に相手の話に耳を傾けること」になってしまっており、

傾聴の本当の意味を理解していないケースが見られます。

 

 

そこで今回の記事は、傾聴の意味や傾聴をするメリット、

傾聴をする前提や傾聴の目的、

そして傾聴のやり方や練習方法について、

ビジネスの場面を中心に具体的な活用方法をご紹介します。

 

 

この記事を読めば、どのようにビジネスで傾聴を使えば、

上司や部下との信頼関係を構築し、業務が円滑化するのか

が分かります。

 

是非、最後まで読んでくださいね。

目次

傾聴とは?~どんな意味なのか?

女性カウンセラー

傾聴とは、カウンセリングやコーチングのときによく使われる

「聴く」コミュニケーション技法のことを言います。

 

 

特に今日では、職場で上司が部下に対しての支援を目的とした

コミュニケーション技法としても注目を集めていますね。

 

 

相手の言うことに対して、

 

否定することもなく、

優劣や善悪などの自分の価値観を交えて判断をすることもなく、

また課題に対していきなり解決を求めたりすることもなく、

 

耳も心も傾けて、

目の前の相手の話をありのまま「聴く」

ことに集中します。

 

 

特にビジネスの場面では、

チームで働く力として必要になってくるのが傾聴力です。

 

これは経済産業省が提唱している

「職場や地域社会の中で

多様な人々とともに仕事するうえで必要な基礎的な能力」の

「社会人基礎力」の要素にも、「傾聴力」が含まれているんです。

 

 

そして傾聴は相手との信頼関係を築くだけでなく、

傾聴を通して自分自身を知り、

感情のコントロールなど精神的成長にも繋がるんです。

 

 

傾聴のポイントは、

ただ相手の話を熱心に聴くのではなく、

 

相手の真意をとらえるために

「耳・目・心」で聴くという点にあります。

 

(「耳・目・心」で聴く点については、

後ほど傾聴のポイントの項目でご紹介いたします。)

傾聴の目的について~なぜ傾聴をするのか?

傾聴の目的を説明する女性

傾聴とは、「単に相手の話に耳を傾ける」と言った、

「聞く」という意味ではないんです。

 

 

傾聴の目的は、

 

・相手が話したいこと

・相手が言いたいこと

・相手が伝えたいこと

 

に焦点を当て、相手を理解することなんです。

 

 

傾聴では、傾聴の「聴」の字にある通り、

 

・相手の言葉に「耳」を傾け、

 

・相手の表情や所作、声のトーンなどに

「目」で注意を払い、

 

・相手の言動の背後に隠れている感情に

「心」で寄り添って、

 

話に共感します。

 

 

「耳」「目」「心」を使って話に耳を傾けると、

相手もあなたを理解してくれるようになるんです。

 

 

お互いの信頼関係を築いた上で、

相手が納得できる結論へと導くことが、

傾聴の大きな目的です。

ビジネスで傾聴を使うメリット

ビジネスで傾聴を使うメリットを説明する女性

それでは、「耳」「目」「心」を使って

相手の話に耳を傾ける傾聴をビジネスの場面で

使うメリットとはどういったものがあるのでしょうか。

信頼関係を構築することができる

人は自分の悩みを話す場合、

相手から否定されたり、反論されたりすると、

 

 

「もうこの人には相談したくない!」

という感情が生まれるんですね。

 

 

一方、傾聴では共感しながら話を聴くので、

相手の心を穏やかにする効果があります。

 

人に話を聞いてもらうことで悩みが解消し、

心が穏やかになったら、

 

 

「またあの人に話を聞いてもらおう!」

と思うはずなんですよね。

 

 

傾聴では、このような安心感を

相手に与えることを

目的としているんです。

 

こういう状態になれば、

 

職場の同僚や部下、

上司との間に信頼関係が構築できます。

業務が円滑に進むようになる

信頼関係が構築されていないのに、

あれこれ指示や命令をされると、

人は不快な感情が生まれるものなんですよね。

 

 

しかし、お互いに信頼関係が構築されていると、

急な仕事を振られても、

 

 

「あの人に頼まれたから引き受けよう!」

という前向きな気持ちで仕事をすることができるんです。

 

 

このように信頼関係の構築は、

仕事を円滑に進めていく上で必要不可欠ですが、

 

その際に役に立つのが傾聴なんです。

 

 

「今の言葉や言い方は、

相手を傷つけてしまったのではないだろうか」

 

といった反省と自分自身への戒めにもなります。

自分を相対化することで自己理解ができる

傾聴によって、自分自身の内面にある

言語化できていない感情が引き出されると、

思考を整理し内省するきっかけが生まれるんですね。

 

 

そして、相手の言動や感情の裏側にある思考を知ることで、

自分との違いを相対化できるため、

相手を通じて自己理解を深めることができるんです。

 

 

相手への理解だけでなく、自分への理解も深まるため、

傾聴は双方にとって非常にメリットがあります。

傾聴が使われる場面

傾聴が使われる場面

前項ではビジネスで傾聴を使うメリットをご紹介しました。

 

 

それでは実際に傾聴が使われる場面とは、

どういった場面があるのか、

イメージが湧きますでしょうか。

 

 

こちらではビジネスやビジネス以外で

傾聴が使われる場面について

具体的にご紹介しますね。

ビジネスで傾聴が使われる場面とは?

場面①マネジメントにおける傾聴

マネジメントとは、組織全体を円滑に運営していくための

コミュニケーションの統括を担う役割なんですね。

 

 

ちなみに、役割を担う役職として考えられるのは

課長職以上になります。

 

 

・従業員が多いことで生まれる

コミュニケーションの煩雑さを解消する。

 

・階層組織の中で生まれる

コミュニケーションの隔たりや

ギャップを無くす。

 

 

マネジメントとはこのような働きが求められます。

 

 

「課のメンバーの中で、

誰と誰がうまくいっていて、

誰と誰がうまくいっていないのか」

 

 

という組織内の人間関係や信頼関係を掌握するために、

課のメンバーのことを表面だけでなく、

裏側の部分まで掌握する必要があるんですよね。

 

 

これがマネジメントにおける

傾聴の使い方になります。

場面②営業活動における傾聴

営業とは、営業マンが一方的に商談を進めるのではなく、

顧客の課題や要望に合わせて

提案をしていくことが求めらます。

 

 

顧客の本音を引き出すために、

傾聴を使って最善な提案、

そして成約に繋げることができるんです。

 

 

これが営業活動における

傾聴の使い方になります。

ビジネス以外で傾聴が使われる場面とは?

場面①看護における傾聴

看護とは、病院にいる様々な病気を

患っている患者の不安定な精神状態に寄り添って、

心が和らぐような対応をすることです。

 

 

単に医療行為を施すのではなく、

 

体調不良から生じる

患者の辛さに耳を傾け、

 

共感をすることによって

不安を解消し、

 

心身の回復へと

導いていくんです。

 

 

看護における傾聴は、

傾聴の使い方としては、

一番ポピュラーです。

場面②子育てにおける傾聴

親が子どもの話を聴いてあげることで、

自分で考える力やコミュニケーション能力が

身に付いていきます。

 

 

傾聴をすることで、

 

親子の良好な関係を築きながら、

子どもを成長させることに

繋がっていくんです。

 

 

これが子育てにおける

傾聴の使い方になります。

場面③カウンセリングにおける傾聴

カウンセリングとは、専門知識やスキルを持った

カウンセラーとの対話によって、

 

相談者(クライアント)が抱える

心理的な不安や問題を

 

解決できるよう導く専門的行為です。

 

 

相談者(クライアント)が安心して

話せるような雰囲気を作り、

解決へと導くことが非常に重要なんですね。

 

 

そのためには

 

この人になら相談しても大丈夫である」

 

という安心感を持ってもらうために

傾聴を使います。

 

 

そうすることで、

 

悩みを抱えた相談者(クライアント)の

真相に隠れている本音を引き出し、

本質的な解決へと導くことができます。

 

 

これがカウンセリングにおける

傾聴の使い方になります。

場面④コーチングにおける傾聴

コーチングとは、相手の話に耳を傾け、

質問を投げ掛けながら、

 

相手の内面にある答えを引き出す

目標達成の手法のことです。

 

 

相手の自発性を促し、

「並走」することが求められるんですね。

 

 

傾聴をすることで、

 

相手の目標達成のために

自発性を引き出していきます。

 

 

これがコーチングにおける

傾聴の使い方になります。

傾聴のポイント

傾聴のポイントを説明する男性

傾聴のポイントは、ただ相手の話を熱心に聴くのではなく、

相手の真意をとらえるために「耳・目・心」で聴くという点にあります。

 

「耳・目・心」で聴くとはどういうことなのでしょうか。

 

それでは今から順を追ってご紹介いたします。

耳で聴くこと

耳で聴くとは、相手が話す言葉から、相手が伝えたいことや理解してもらいたいことは何なのか、つまり本音を認識するということです。傾聴では相手が話すことを私情を挟まずに客観的に聞き、否定的にならずに、自分の価値判断で決めつけないことが求められます。そのため、相手が沈黙したり、考えていたりする場合などは、できる限り待つ姿勢が望ましいです。耳で聴くとは、相手が話すのを邪魔せず、理解することでもあります。

目で聴くこと

目で聴くとは、非言語コミュニケーション(顔の表情や所作、声のトーンや雰囲気などの非言語全般)から、相手の感情を認識するということです。傾聴で大切なのは、相手の表情や所作、声のトーンなども同時に見ることです。相手が本音で話しているのか、話していないのかを察する必要があります。もし本音で話していないのであれば、どのように接すればいいのか考えなければなりません。相手のことを本当に理解しようと思えば、このような非言語コミュニケーションから読み取れることがたくさんあります。

心で聴くこと

心で聴くとは、相手の言動の背後に隠れている感情や本音を受け止め、共感するということです。言葉の裏側の気持ちまでも推測し、受け止め、共感を示すことも必要です。職場において部下は上司に対して、会社の不満を言い辛いので、「特に困ったことや不満はありません。」「仕事がしやすい環境に感謝しています。」など、波風が立たないようなことしか言わないこともあります。傾聴では、本音はどうなのかを推測し、それを受容・共感することが求められます。

傾聴をする前提と3つの原則

傾聴をする前提と3つの原則を女性ん説明する男性

傾聴をする前提として知っておいていただきたいことは、あなたは相談者の悩みに一緒に降りていき、同伴者として横に居ることしかできないということです。つまり、相談者の悩みの解決ではなく、あくまでも寄り添うことが前提になります。そうすることで、相談者は自己肯定感を高め、問題の解決の主体は自分自身であることを悟り、安心感を持って課題の解決に当たることができます。まずは、この前提を押さえておいてください。それでは傾聴の3つの原則についてご紹介します。

カール・ロジャーズ3原則

傾聴は、アメリカの臨床心理学者でカウンセリングの大家であるカール・ロジャーズによって提唱されました。カール・ロジャーズは傾聴を「積極的傾聴(=Active Listening)」と呼び、自らが行ったカウンセリングの事例を分析して、話を聴く側には3つの原則が必要であると力説しています。3つの原則とは次の3つになります。

傾聴の3つの原則

ポイント①共感的理解

相手の話を、相手の立場に立って、相手の気持ちに共感しながら理解しようとする。引用:「メンタルヘルス教育研修担当者養成研修テキスト」(厚生労働省・中央労働災害防止協会)

ポイント②無条件の肯定的関心(無条件の肯定的配慮)

相手の話を善悪の評価、好き嫌いの評価を入れずに聴く。相手の話を否定せず、なぜそのように考えるようになったのか、その背景に肯定的な関心を持って聴く。そのことによって、話し手は安心して話ができる。引用:「メンタルヘルス教育研修担当者養成研修テキスト」(厚生労働省・中央労働災害防止協会)

ポイント③自己一致

聴き手が相手に対しても、自分に対しても真摯な態度で、話が分かりにくい時は分かりにくいことを伝え、真意を確認する。分からないことをそのままにしておくことは、自己一致に反する。引用:「メンタルヘルス教育研修担当者養成研修テキスト」(厚生労働省・中央労働災害防止協会)

傾聴の技術と使い方

傾聴の技術と使い方を説明する女性

傾聴において大切なのは、「相手が本当に伝えたいことは何か」を考えながら聴くことです。これは傾聴の技術を使うことで、あなた自身も心理的な負担を抱えること無く傾聴をすることができます。ここでは、傾聴の技術と使い方をご紹介します。

傾聴の技術

傾聴の基本的な技術として、「うなずき」「あいづち」「繰り返し」「言い換え」などがあります。話を聴くときに「うなずき」や「あいづち」を入れることで、相手の話をしっかりと聴いていること、その内容に共感していることを伝えることができます。言葉に詰まったときに役に立つのは「繰り返し」や「言い換え」です。

技術①うなずき

「うなずき」とは、承諾や同意などの気持ちを表すために、首を縦に振ることです。肯定も否定もすることなく、相手の話を単純にそのまま受け入れていることを「うなずき」を通して相手に伝えます。

技術②あいづち

「あいづち」とは、相手の話に頷いて巧みに調子を合わせることです。「うなずき」の動作は、首を縦に振ることになるので、声を発することはないですが、「あいづち」の動作は、「うなずき」の動作に声が伴うことになります。

技術③繰り返し

「あなたは〇〇〇が好みなんですね」と相手の発言を繰り返すことで、相手の話を聞いているという印象を与え、さらなる会話を引き出します。

技術④言い換え

「あなたが〇〇〇だと思ったことは、要するに★★★ということですよね?」と相手の言葉を言い換えて、話の内容を確認しながら話題を膨らませます。

傾聴をするときは、「繰り返し」と「言い換え」を上手く使う

傾聴をしていると、相手に共感をしようという意識が強くなり、会話が行き詰ってしまうこともありますが、そんなときは、「繰り返し」を使ってみてください。傾聴の目的は、自分の話題の豊富さを見せつけることではなく、相手から話を引き出すことです。「繰り返し」や「言い換え」は、一種の確認作業ですが、そこから話題を膨らませることができます。

傾聴のやり方

傾聴のやり方を紙に書いて説明する男性

前項で傾聴の技術と使い方についてご紹介しましたので、それでは実際の傾聴のやり方についてご紹介します。一つずつご紹介しますが、傾聴の技術を使いながら、傾聴をする上で、効果的なやり方は一つではありません。複数のやり方を組み合わせながら傾聴をすることで、より効果が高まります。

相手の気持ちを汲み取る

相手の話、表情、所作、声のトーンなどから、相手が今、どのような気持ちでいるのか、またどのような心理的状態であるのかを汲み取ります。相手の細かい心の機微まで理解することは、傾聴の最初の段階において非常に重要です。その際、相手の気持ちに、善悪や好き嫌いなどの価値判断を入れることはすべきではありません。相手の気持ちに寄り添うことを絶対に忘れないようにしてください。

相手の気持ちを繰り返す

汲み取れた相手の気持ちを口に出して繰り返してみてください。そうすることで、相手は自分のことを理解してくれたと思い、気持ちを汲み取ってもらえた安心感を得られます。もし相手の気持ちが汲み取れなかった場合は、言葉以外から汲み取れる気持ちを伝えてあげてください。

相手の話の内容を言い換える

相手の話の内容から出てきた出来事や言葉を、別の言葉で言い換えて話の中に盛り込むことも効果的です。決して意味を変えること無く、別の表現に言い換えることで、相手が自分を理解してくれていると認識できます。このとき、主語を相手にして言葉を言い換えることを意識してみてください。

相手の話の続きを促していく

相手の気持ちを汲み取る、相手の気持ちを繰り返す、相手の話の続きを促していく、ということと併用して、相手がもっと話してもらえるように促していくことも必要です。具体的には、「それからどうしたの?」「もっと詳しく話してください」など相手に質問することで促していくことができます。このとき、相手の気持ちを丁寧に読み取りながら行ってください。

相手が沈黙した場合の対応

相手が話をしている途中で沈黙してしまう場合があります。そういうときは、まず相手の様子を観察して、特に問題が無さそうであれば、相手のペースに合わせるという意味でゆっくり待ってあげてください。もし沈黙の時間が長すぎると感じた場合は、少し話をしてみてください。ゆっくり丁寧に相手に合わせた対応をすることで、相手に安心感を与えることができます。

相手自ら解決の糸口を見つけてもらう

傾聴をする目的は、相手が自ら解決の糸口を見つけてもらうことです。そのためには、相手が一番問題と思っていることを話の中から見つけます。相手がその問題について、「どう思っているのか」を丁寧に確認した後、「本当はどうしたいのか」をゆっくり丁寧に引っ張ってあげてください。ここで大事なことは、いきなり解決を求めないということです。相手に「本当はどうしたいのか」に目を向けてもらって、気持ちを整理しながら思考してもらえれば、きっと自ら解決の糸口を見つけることができます。

相手が既にできていること、これからできそうなことに目を向ける

傾聴をしていると、相手が既にできていることや、またこれからできそうなことに気が付いていないということがあります。まず、相手が自主的にできていることを傾聴し、気持ちを汲み取ってサポートしてあげることです。そうすることで、お互いの信頼関係が一気に高まります。この流れが出来てくると、現実的にこれからできそうなことを促しやすくなります。傾聴をする中で、できそうなことを相手の状況を考えながら、現実的にできることを絞り込みます。できることが絞れたら、そこに相手が自然と目が向くような質問や応答をしてあげてください。

傾聴の練習方法と注意点

傾聴の練習方法と注意点を4人の男女に説明する男性教師

前項、前々項で、傾聴の技術と使い方、そして傾聴のやり方についてご紹介しましたが、これらを踏まえて、周りの人との会話から傾聴力を身に付ける練習方法と注意点についてご紹介します。

傾聴の練習方法

傾聴力を向上させるには、日頃から練習を重ねるしかありませんが、まずは話しやすい環境とはどういう状態なのか、どのような身振りや手ぶり、表情なら話しやすいかなど、日頃の自分自身の言動を振り返ってみましょう。

 

次に、「うなずき」「あいづち」「繰り返し」「言い換え」という四つの技術を使いこなすことと、「いつ」「どこで」「誰が」「何を」「なぜ」「どのようにした」の5W1Hを意識して話を聴いてみましょう。相手が沈黙してしまった場合などは、5W1Hのうち、どれかを聞き逃していないかと考えることも効果的です。その上で「うなずき」「あいづち」「繰り返し」「言い換え」などの技術を使用すれば、傾聴力が向上していきます。

傾聴の注意点

傾聴をするときの注意点としては、相手が話してくれた内容は他言しないということ、そして相手の話に対して自分がどこまで責任を持てるのか見定めることです。相手が「あなただから話せたことなのに、どうして他人に話してしまったのか」となったら、信頼関係の構築はできません。しかし、「会社の機密情報を他社に漏らしてしまった」と打ち明けられた場合、「私だけに話してくれたのだから、誰にも話さないで黙っていよう」というわけにはいきません。

 

傾聴をするときには、「他言しない」という基本を理解すると共に、自分がどの程度の話なら責任を持つことができるのか、また、自分の手に負えない話を聞いたときにはどうすればいいのかを考えておくことが自分の身を守ることにも繋がります。

傾聴のビジネスでの使い方と例文

傾聴のビジネスでの使い方を例文を使って説明する男性

傾聴はビジネスをよりよく進めるためにも活用できます。特に職場の人間関係や顧客との関係構築において、傾聴は大きな役割を果たすことができます。ここでは傾聴のビジネスでの使い方を例文を用いてご紹介します。

職場の人間関係の円滑化

上司と部下、同僚との関係において、傾聴を活用することで人間関係が円滑化するので、お互いの信頼関係が構築しやすくなります。職場において人間関係がより良いものとなれば、働きやすい職場となり、生産性も向上します。また上司が傾聴力を身に付け、聴き上手になれば、部下は相談しやすくなるので、上司は必要な支援を行うことが可能となり、メンタルヘルス不調の発生を未然に防ぐことにもできます。

例文 後輩とそりが合わないことを課長に相談する場合

部下:後輩Aさんが指示通りに仕事をしてくれなくて困っています。

課長:後輩Aさんが指示通りに仕事をしないんだね。(あいづちと繰り返し)

部下:そうなんです。良かれと思って指示したのにひどいです!最近、こういうことが多いんです。

課長:良かれと思って指示したのに、やってくれないのは、辛いよね。具体的に教えてもらえるかな?(理解を深めるための質問)

部下:はい!

課長:(このとき部下が言葉に詰まっても、焦らせたりはせず、ゆったりと構えて、部下に寄り添う姿勢で対応する)

顧客との信頼関係の構築

傾聴は相手が何を求めているのか、その真意を理解するものであるため、取引先の顧客のニーズを的確に把握することに役立ちます。真摯に相手の話に耳を傾け理解する姿勢は、顧客と信頼関係を築くことにも繋がります。

例文:顧客と商談をしている場合

あなた:何か当社の商品でお困りごとはございますでしょうか。

顧客:御社の商品Aが10個返品になってしまい、一度出荷してしまっているので、在庫になってしまうかもしれないんです。

あなた:商品が返品になって、在庫になってしまうかもしれないんですね。(あいづちと繰り返し)

顧客:それで、経理部長から在庫は認めないと念押しされてしまいました。

あなた:(深いうなずきで対応する)

顧客:3か月後に別のお客様が購入する話があるんですが、それでもその間の在庫はできないと言われました。

あなた:売れる予定があっても、在庫だけは避けないといけないんですね。(言い換えと繰り返し)

顧客:そうなんです。

あなた:それでしたら、一旦当社に返品してもらって、3か月後に買い直してもらってもいいですよ。(信頼関係ができているので、打開策の提案)

顧客:それでもいいですか。ありがとうございます!

まとめ

傾聴とは何か?をまとめたノート

傾聴には特別な資格や能力は必要ありません。 傾聴の技術を身に付けて、練習をすることで傾聴力を磨くことができます。今回はビジネスの場面から傾聴についてご紹介しましたが、日常的なコミュニケーションにおいても、傾聴をすることができます。「私のことを分かってくれている」「この人なら信頼できる」と思われることによって、人間関係が円滑になっていくので、是非全てのコミュニケーションの場面で活用してみてください。

 

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