傾聴のスキルに「繰り返し」があります。繰り返しとは何か改めてご説明をする
ですが、この「気持ちのワード」を繰り返すことが機械的な応答になってしまっているケースがあります。
そこで今回は、機械的な応答になりがちな「繰り返し」のスキルをどのようなスタンスで行えばいいのかご説明いたします。これを読めば、傾聴をしているときのクライアントや話し手との接し方が分かり、自然と「繰り返し」ができるようになります。
目次
傾聴をしているときは、前ではなく横に座っているイメージを心掛ける
機械的な応答に終始してしまう人の特徴
繰り返しをするとき、なぜか冷たい対応になってしまい、心に距離を感じてしまうと機械的な応答になってしまう傾向があります。これには色々と原因はありますが、ひとつ考えられるのが、機械的な繰り返しになっている場合、「向き合う関係になってしまっている」ことが多いです。
向き合う関係とは、カウンセラーや聴き手がクライアントや話し手の前に居るイメージです。これだと、段々上下関係のようになってしまい、クライアントや話し手も話しづらくなりますし、カウンセラーや聴き手は上から目線で話を聴く感じになるので、クライアントや話し手の現在の状況や話の内容に疲れを感じやすくなります。この状態で繰り返しをすると、機械的な応答になるのは、言うまでもありません。
あくまでも傾聴は「寄り添って聴く」こと
「向き合って聴く」ことと「寄り添って聴く」ことは全く別物です。あくまでも傾聴は「寄り添って聴く」ことになります。クライアントや話し手とカウンセラーや聴き手との関係性は「寄り添い」が基本になりますので、今一度記憶に留めていただきたいです。寄り添っている状態とは、2人は横に並んで座っている感じです。あるいは同じ方向を向いている感じです。では、寄り添うように繰り返すにはどうすればいいでしょうか。
寄り添って聴くとは?
例えば、次のような設定で考えていただければ分かりやすいかと思います。
(2人が横に並んで座っている設定で、ボソボソ話す感じをイメージしてみてください)
「どうして・・・彼は、仕事をしないんだろうか・・・」
クライアントや話し手がいつも心の中でボソボソ話しているときの言葉を発するような感じで、繰り返しをするとより近くに感じられて、寄り添っている空間になります。
特に、上記の発言の中で、「・・・」が2箇所ありますが、「・・・」は間をしっかり取って、ちゃんと考えていて、そしてちゃんと感じていて、この空間を味わっているような空間を演出しているようになります。意図して演出することはありませんが、そんなイメージで寄り添って聴くことを理解していただければと思います。
寄り添って聴くときに気を付けていること
寄り添って聴くときに気を付けていることとして、必要以上に正しさを追求しないということがあります。正しい寄り添いとは何か?と言葉の意味に拘り、考えながら聴いているとクライアントや話し手から冷たい印象を持たれてしまいます。これだと、徐々に「向き合って聴く」ことに変化してしまうので、気を付けていただきたいです。
カウンセラーや聴き手が、クライアントや話し手自身なったかのようにその方の心の中でボソボソ話している、その声をそのまま言葉にしてみてください。横にいて、寄り添って話す姿勢とはそういうことです。そういう「繰り返し」をしていけば、今よりもずっと身近にいて気持ちを理解してくれている深い傾聴になります。是非、やってみてください。
併せて、下記の記事もご覧ください。
傾聴のスキルの1つである「繰り返し」は気持ちのワードを繰り返すこと
傾聴に必須である繰り返しが苦手な人はどうしたら良くなるのかについて
そして、傾聴とは?の記事もご覧ください。
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