子どもの話をちゃんと聴いてあげたいと思っているけど、忙しくてなかなかできないという親御さんもたくさんいらっしゃると思います。子どもといっても幼稚園、小学生、中学生、高校生といろんな世代の子どもがいます。これだけでも大変だし、傾聴のやり方といっても本を学んだだけの型通りのやり方ではなかなかうまくいかないものです。
そこで今回は、実際に子どもに対してどんな傾聴ができるのか?特に少し小さなお子さんについてご説明いたします。これを読めば、傾聴と通して子どもとの関わり方や子供に傾聴をする目的が分かります。
目次
子どもへの傾聴を効果的にするために
大人に対する傾聴と子どもに対する傾聴には違いがある
私自身、自分の子どもがもうすぐ5歳になりますが、この間子どもに傾聴がどのくらいできるのか、実際に試したことがあります。ちょうど3歳くらいのときから傾聴ができました。ただ、大人に対する傾聴と子どもに対する傾聴には違いがありました。その違いとは、子どもの場合は情緒の成長具合と親への依存心。ここを考慮していかないとできないです。
子どもはまだ情緒が成長途中なので、感じていることを表現するのがうまくできません。あとは、その日によって気分のムラがあるので、昨日言っていたことと今日言っていることが違ったりします。ここを最初からある程度理解しておく必要があります。
傾聴だからと言って親御さんがあまりに真剣に傾聴をしよう!とか、傾聴を大人相手にやるのと同じようにやるのは、苦しくなってしまいます。子ども相手だと親御さんは気持ちを聴こうという気持ちがどうしても強くなってしまうので、辛くなるのも無理もありません。
それから、傾聴ではよく共感が大切であると言われています。共感とは、例えば「あなたはそうなんですね」と相手を受け入れることですが、あまり子どもにそれをやりすぎてしまうと子どもが孤立心を抱いてしまうことがあります。子どもはまだ親御さんに依存したいのに、一方的に親御さんから引き離されてしまったという想いを感じてしまうからだと思います。
このことを回避するために、あまりビジネスっぽく畏まった形で傾聴をしないというのがお勧めです。親御さんご自身がいつも以上にやさしくそして親しみやすく話をしてあげましょう。「聴く」ということを強調しすぎるとかえって子どもは話をしてくれなくなります。「話してごらん!」と子どもに振っても、振られた子どもにしてみたら、いきなり話してと言われても困ってしまうものです。ここは、ビジネス的な型を取っ払うくらいの姿勢で、子どもと対等な感じで親御さんから話しかけてあげることが肝要です。
子どもへの傾聴についての例
例えば、子どもがおもちゃで遊びたかったというシチュエーションで考えてみます。その時に傾聴するなら、「〇〇ちゃんはそのおもちゃで遊びたいんだね!」と、子どもの名前をつけて言わないことです。子どもという主語を省いてもらうことで、親御さんと子どもとの間に対等な空気感が醸し出しやすくなります。ただ単に、「これで遊びたいの?」と軽く確認するような言い方で大丈夫です。そうすると子どもは返事を「うん!」と素直に返しやすくなります。
この「うん」が簡単に返ってくるような関わり方が大事ですし、これができると、結果的に子どもが気持ちに合わせて返事をしているので、親御さんからしたら傾聴ができていると感じやすくなります。
ここまで来れば、親御さんもおもちゃで遊びたい理由が聴きやすくなりますし、同時に子どももおもちゃで遊びたい理由を自分の気持ちに合わせて話すことができます。
子どもへの傾聴が簡単にできるたった1つの方法とは?
傾聴だからと言って、あまり型に拘るのではなく、親御さんが子どもに合わせてアレンジをしてしまった方がお互いに気持ちいい関係を築くことができます。そのためにはまず、自然と子どもが「うん!」と言ってもらえるような雰囲気作りをしてあげてください。このことを心掛けていただければ十分です。もし、「ううん!(違う!)」と言われた場合は、どこが違うのか聴けばいいだけです。この場合も、対等な空気感があれば「「ううん!(違う!)」と答えた理由も聴きやすいはずです。
親御さんが子育てをしやすくするための傾聴です。そのために傾聴を使ってください。まず「うん!」が簡単に返ってくるような関わり方をしてください。それができれば、「理由」を聴いてあげてください。型に拘るための傾聴ではなく、親御さんが子どもと良好な関係性を築くための傾聴です。一度試しに実践してみてください。
併せて、傾聴とは?の記事もご覧ください。
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