傾聴を通して実感した近年高まる3つの心理傾向について

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前回、傾聴を通して実感した近年高まる3つの性格傾向について投稿しました。今回は、性格傾向の次に、特に近年、変化が著しい心理効果、またそれに付随する感情について触れてみたいと思います。

 

これを読めば、心理効果やそれに付随する感情がその人の性格にも影響を及ぼしていることを実感できると思います。

目次

最近、高まる3つの心理傾向と感情

①損失回避性による不安感の高まり

ここ最近の経済状況もありますが、人は本来、得よりも損をしたくないと考える傾向が強いと言われています。特にこの傾向が強い女性やシニア層だけでなく、若者にも損失回避性が広がっています。これは「不安感」と結びつきやすく、相談業を生業としている人だけでなく、一般の個人の方も是非知っておいていただきたいことです。数値的に言えば、人は1万円得したときよりも、1万円損したときのほうが気持ちの動きが2~2.5倍大きく動くと言われています。

 

例えば、具体的に損失回避性の影響について、下記のことが挙げられます。

 

  • 飲食店の「特上・上・並」のコースがある場合、真ん中の「上」が選ばれやすい傾向がある。
  • 企業は、一度開発にお金をかけると、途中でやめられなくなる。
  • 高額紙幣を崩したくない気持ちがあり、一度崩すとなくなりやすい感じがする。

 

まだ、他にもありますが、言われてみれば、何となくご理解いただけるかと思います。

②支配欲求の高まり

今の世の中、人との繋がりを大切にしたいという傾向があるかと思いますが、でも、よく考えてみると、「人と強く関わりたい(他人から認められたい)人」と「人と関わりたくない人」との二極化が進んでいます。「人と関わりたくない人」は、人との距離を取りたがりますが、「人と強く関わりたい(他人から認められたい)人」は無意識にも人を必要と感じるので、どうしても承認欲求が強くなってしまいます。実際、SNSの普及もあり、この承認欲求の高まりはよく言われますが、実は、承認欲求よりも支配欲求の高まりのほうが顕著になってきています。自分が他人から承認されていないと感じると、それを満たすために他人を支配してまで承認させるということです。最近、人間関係でよく言われている「マウントを取る」というのが最たる例です。

 

支配欲求は様々なところで問題を起こしています。家庭内の DV増加や、あおり運転も支配欲求と関係していると考えられます。立場的に自分のほうが上だと思っている人は、自分の考えが正しいと思い、自分より下だと思う相手に自分の考えを押し付けたりすることはよくあることです。あとは、思い通りにならないとイライラしたり、周囲の人間が自分から離れるのが不安という心理も働きます。

③孤独感と疎外感

現在、孤独を感じる人が増加しています。自分はひとりで孤独だと感じやすく、仲間外れにされている感じが強くするのです。疎外感を強く持ってしまうのは、自尊感情の低さや他人の感情に敏感になることが挙げられます。Science 誌に掲載された研究によると、社会的に疎外されていると感じているときは、体の痛みを感じる脳の部位と類似する脳の部位が活性化するといいます。

 

孤独感や疎外感を強く感じてしまうと、人と強く関わりたいと思い、承認欲求を求めてしまい、自分が他人から承認されないと、「②支配欲求の高まり」に繋がってしまう傾向があるので、気を付けたいものです。「孤独感や疎外感」の高まりと「支配欲求の高まり」は連動性があると考えられます。

近年の心理傾向を象徴する心理キーワード

以上を踏まえて、近年の3つの心理傾向を象徴する心理キーワードを5つご紹介いたします。

 

  • 損失回避性
  • 承認欲求
  • 支配欲求
  • 孤独感、疎外感
  • 自尊感情

 

この5つのキーワードを知っておくだけで、他人を理解する上で、一つの目安になります。傾聴からこのようなことが分かりました。傾聴をするときはもちろん、傾聴以外のときにも役に立ちますので、是非、ご活用ください。

 

併せて、下記の2つの記事もご覧ください。

傾聴とは?

傾聴を通して実感した近年高まる3つの心理傾向について

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