傾聴を深めるためにはちょっとした工夫を施した質問を1つだけすると良い

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クライアントや話し手として傾聴を受けてみたいと思っている方や、組織で働く上で傾聴を使って人材育成をしたいと思っている方であれば、その方々なりに傾聴とはどういうものなのかご存じであると思います。そして傾聴を学ばれたり、傾聴を実践していく上で、あいづち、うなずき、繰り返しをしていてもなかなか話が深まらなかったこともあるのではないでしょうか。

 

そこで今回は、傾聴をしていてもなかなか話が深まらないで悩んでいる方に、どうすれば話が深まる傾聴になるのかについてご説明いたします。これを読めば、話を深めるためにどのように工夫をすればいいのかが分かるので、傾聴に対して前向きに取り組めて、傾聴の可能性を更に実感することが出来ます。

目次

傾聴を深めていくために必要なこと

クライアントや話し手が傾聴をすることでより腑に落ちたと実感していただくためには、もちろんクライアントや話し手に話をしていただくことが大前提となりますが、どうしても話をする上で、クライアントや話し手が行き詰ってしまうことも多々あります。それはクライアントや話し手が自分の視点に基づいて話をし続けてしまうからです。これはもちろん致し方ないことです。話をしていただかないとカウンセラーや聴き手の出る幕がありません。

 

そこで有効になるのが、カウンセラーや聴き手がクライアントや話し手の視点を変えていただく促しをすることが必要になってきます。それはどのようにすればいいのかと言いますと、話の区切りが出来たときや話の最後に到達したときにカウンセラーや聴き手が質問を投げかけることです。この質問をすることで、クライアントや話し手の視点がガラッと変わり一旦小休止することを促してくれます。質問は大きく分けて2つ考えられます。

1つ目の質問の内容とは?

1つは話の内容についてより詳しく突っ込んだ質問をして、クライアントや話し手の気持ちをより深く言語化しやすいように促してあげることです。質問をすることで、クライアントや話し手は一旦小休止の状態になりますので、そこでより深く考えて気持ちを整理することができます。もちろんクライアントや話し手が話したくないことは話さなくてもよろしいですが、仮に言語化しなくてもクライアントや話し手にとっては大きな気付きを促すことになりますので、これだけでも大きな役割があります。

 

この場合、カウンセラーや聴き手にとっては役割不足を感じることもあるかもしれませんが、クライアントや話し手の心の中では大きな変化が起きていますので、役割不足を感じること無く冷静に対処していただければそれで大丈夫です。但し、あまり質問攻めにだけはならないように気を付けてください。クライアントや話し手が圧を感じてしまうことになりますので、逆効果になります。

2つ目の質問の内容とは?

もう1つは傾聴の終盤に差し掛かったときに、「その他に何かありますでしょうか?」と質問をしてあげることです。これは最後にクライアントや話し手が何か話忘れたことがあったときや話したりないときが良くありますので、今一度振り返ってもらっていただくことが可能です。そのときに大切なことは、この質問を最後に形として投げ掛けるというか、取って付けたような形にはしないで欲しいです。クライアントや話し手がここを見透かされると、せっかくいい傾聴時間であったとしても、一気に失望感が増して、台無しになってしまいます。

 

あと考えられることですが、悩みを聴く立場からすると、早く解決したいと思ったり、悩みを複雑化したくないと考えたりする傾向があります。そのため悩みを1つ2つ聴いてすぐに終わりにすることもよくあります。これは大きな間違いですので、絶対に避けていただきたいことです。悩みは1つ2つに抑えてしまうよりも出来るだけたくさん聴いた方が解決への手がかりを掴むことが出来ます。

 

悩み自体はクライアントや話し手からしたらほんの一部であり、枝葉に過ぎません。であれば、出来るだけたくさんの悩みを話してもらって、悩みの関連性を深堀した方がいいですし、クライアントや話し手からしたら仮に解決しなくても全て聴いてくれたという満足感で満たされます。これは双方にとってとても良いことです。

悩み事はたくさん聴いたほうが解決への糸口が見つけやすい

本来人の心は複雑に出来ています。複雑なものは複雑のまま理解した方が問題の糸口が見つけやすいのです。そして複雑なものを複雑にちゃんと理解すればするほど、本質に迫った深い話になります。そのとき使える質問が「その他に何かありますでしょうか?」という質問です。「その他に何かありますでしょうか?」と質問することで理解が深まるだけでなく、最後の段階で「もう無いです」と言ってもらえることで悩みの全容が明らかになるので、次に進むことができます。

傾聴が深まらないと感じるのはどのような時か?

今までは傾聴が深まる視点でご説明しましたが、逆に傾聴が深まらないときはどのような時なのでしょうか。この場合は2つの原因が考えられます。1つはあいづち、うなずき、繰り返しの質が悪い場合で、もう1つはあいづち、うなずき、繰り返しでは純粋に及ばない領域がある場合です。傾聴が深まらないときはこの2つを見直していくといいのですが、「その他に何かありますでしょうか?」と質問をしてあげることでただ聴いているだけでは届かない領域に入りやすくなります。もしよかったら使ってみてください。

 

但し、あまり質問攻めにだけはならないように気を付けてください。クライアントや話し手が圧を感じてしまうことになりますので、逆効果になります。

 

併せて、傾聴とは?の記事もご覧ください。

 

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