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YouTubeと傾聴カウンセリング
YouTube上に動画を投稿して、多くの人に観てもらい、それで収入を得て生活している人たちを「YouTuber」と呼びます。顔を出している動画もあれば出していない動画もあったり、男女またはアニメーション、老若男女あらゆることを問わずに色々な人がYoutuberとして活躍しています。
動画の内容も多種多様で、料理やメイクをしているものもあれば、道具やおもちゃの紹介だったり、スポーツやゲームを実況していたり、自分たちで考えた企画を面白おかしく進めていったり、一度知ってしまえば飽きることなく動画を観ることができます。
ただし、そんな華々しい世界もありますが、その一方でもちろんネガティブなこともあります。今回はその中でも介護の分野で動画を発信してい入るNさんのお話です。
YouTuberとして活躍するNさん
Nさんは介護歴約10年。有料老人ホームではたらく30代の方で、動画を作成しだしたのは4ヶ月くらい前でした。他の方の介護の動画を観て、自分も自分なりに介護に関しての動画を作ってみたいと思い、作成を始めたのだそうです。
それまでに動画を作るような経験がなかったNさんでしたが、独学で動画を撮影し、編集ソフトを入れて動画の切り貼り、テロップや効果音も入れて。最初の動画は5分ほどの動画でしたが、2日かかったとのことでした。
そしてそれをいざYouTubeにアップロード。全世界に公開となりました。当然ですが最初は観てくれる人も極端に少ないため、まずは動画の本数を増やすことに専念していきました。話を聴く限り、この辺りからだんだんと気持ちが落ち込んでしまっていたようでした。
YouTubeに対するネガティブ気持ちの理由
気持ちが落ちてしまった原因はNさん自身いくつか分かっていたようで、まず一つ目が”動画の再生数が伸びないこと”です。いきなり何十万再生もいかないことは承知していますが、やはり動画を何本も出していくうちに、再生数が上がっていかないことに焦りと不安が出始めたのだそうです。このままでいいのか、やり方は本当に合っているか、といった具合です。
そして二つ目は”批判的なコメントがあること”です。介護のジャンルというのは誤差が全くないルールなどは存在せず、自分の状態そして被介護者の状態によって対処が変わってきます。その対処について、間違っているという指摘や、もっと○○のようにした方がいいといった上から目線のアドバイスのコメントが増えていきました。
介護という仕事自体ストレスを抱えやすい職業で、せめて動画では楽しくやろうと思っていたらしいのですが、特にこの2点が影響して、モチベーションが下がってしまったのだそうです。
YouTubeの身近に傾聴カウンセリングがあってほしい
YouTuberは今の時代では一気に増えましたから、ちょっとでも油断をして動画のアップロードの間隔が空いてしまうと、ほかの同じジャンルの動画に埋もれてしまいます。動画は頻繁にアップロードしないといけない、でも動画に対してネガティブになってしまう。この両極端の考えのせいでどうしていいのか分からず、Nさんは私に相談してくださいました。
こういう負のスパイラルというのは抜け出すのが難しく、問題のうちをひとつだけを解決してもそこまでの効果はありません。傾聴カウンセリングは決して答えを出すだけのものではないのですが、今回のような場合には一度距離をおいてみることが大切です。動画は好きな時に作っていい、無理して作らなくていい。こんなルールを自分にふと与えてあげるだけでも、意外なほどに心が軽くなります。ある意味自分自身を傾聴して、心のバランスを取ってあげるといった感じでしょうか。
YouTubeはきらびやかな世界が多く見える反面、ネガティブなことに直面して辞めていく人も非常に多い世界です。Nさんのようにあと一歩のところでとどまれている人はとても珍しいです。ストレスや負の感情が生まれやすいYouTubeという環境では、傾聴カウンセリングはもっと身近にあってもいいのではないかと思います。ちょっと冗談も含んでいますが、私自身が傾聴カウンセリングについての動画を作成してみてもいいのかもしれませんね。
併せて、SNS投稿を義務化することから来るSNS疲れと傾聴カウンセリングの記事もご覧ください。
傾聴とは?の記事もご覧ください。
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