小学校3年生の女の子への傾聴カウンセリングを通して分かったこと

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小学校3年生の女の子への傾聴カウンセリング

最近、とある公立の小学校の先生から、子供たちとの関わり方の中で、ちゃんと子供たちに向き合って話を聴いてあげることが出来ているのだろうか?という疑問を打ち明けられたことがありました。この方は、20代男性の小学3年生の担任の先生(仮称:高橋先生)になりますが、先生方同士でもこのようなことを話す機会が多くなってきているそうです。

 

コロナ禍で学校での行事も縮小や中止、友達同士での交流も少なくなってしまい、子供たちもひとりぼっちの時間が多くなってしまっています。それでも親御さんとの時間は増えているので、そこはいいのですが、学校に行ってもあまり楽しさを感じなかったりしています。

 

今回、ご依頼をして下さった高橋先生は、この状況にどのように対応したらいいのか分からないので、私に相談をしてくださいました。それでこの先生とお話をした結果、学校にも許可を取って、私が実際に子供たちに傾聴をさせていただきました。

今回、小学3年生の女の子3人の傾聴を実施

私がお教室にお邪魔して、給食の時間と休憩時間と放課後の時間でしたが、一緒の時間を過ごしました。給食の時間に一緒に給食を食べながら、子供たちとコミュニケーションを楽しみ、それから高橋先生が3人の女の子を指名して、休憩時間と放課後の時間に1人ずつ傾聴をしました。

 

この3人の女の子は特に変わった様子はなく、至って普通の女の子たちでした。ただ、傾聴をしていて気になったのが、3人とも学校生活はあまり楽しくはないそうです。今までは制約がない学校生活だったので良かったのですが、今は学校に来てもとてもピリピリしていて楽しさを感じない様子でした。やはり気になったので、この辺を重点的に傾聴をしましたが、相手は子供たちですから、通常の傾聴とは違って、気軽に話してもらうことを優先して、あまり深刻にならないように気を付けました。

 

今回は成果を出すということではなく、子供たちがどんなことを感じているのかを知るだけで良しとしていました。むしろ、学校の先生には話せないことや話しづらいことを聴き取って行くスタイルに徹するようにしました。

 

最初はあまり話さなかったのですが、今好きなアニメの話題に火が付いたことから、子供たちも心を開いてくれ、話をしてくれるようになりました。3人とも、今の世の中の状況や学校での様子にはある程度理解はしているようでしたが、それでもあまり楽しめない学校生活に対しての不安や不満は共通していました。

 

この不安についてもっと話をしてもらおうと細かくあえて軽く質問をしました。その方が子供は話をし易いのです。まして知らない大人相手に話をするのはハードルが高いのは当然のことです。それでも一生懸命に話をしてくれている姿に嬉しくも思いましたが、それ以上に子供たちにとってはシンドい毎日をどのように過ごしたらいいのか、という助けにも思えました。

 

今の学校生活に理解はしているものの、どうしても禁止事項が多くて、ここにどう対応したらいいのか悩んでいる様子でしたが、傾聴を進めていくと、実はもっと違った所に課題があることが判明しました。

女の子3人の傾聴の結果

学校生活での禁止事項に対しての不安や不満は確かにピークに達している様子でしたが、この現状に対して先生方が一様にあまり詳しく説明をしていないということがそもそもの原因だったようです。テレビのニュースや親御さんから今のコロナ禍での過ごし方は知っているだろうということで、あまり説明を受けていないということ、どうして説明をしてくれないのかということ、この辺が子供たちの学校生活をとても孤独にしている原因でした。

 

子供たちなりにコロナ禍の生活は理解していながらも、もっとざっくばらんに先生と色んなお話をしたかった。でも、飛沫が飛ぶということで、話をすること自体が許されない空気があるので、話せない。要するに、こういう特殊な状況だからこそ、話を聴いてもらいたかったということでした。子供たちなりに今の社会に順応しようと思っていても、それがなかなか出来なかったり、急に社会全体の流れが変わってしまったことに対して思うところをもっと活発に話がしたかったようです。

高橋先生への傾聴内容のフィードバック

以上の傾聴の内容と結果について、高橋先生にお伝えしました。元々、高橋先生ご自身も「ちゃんと子供たちに向き合って話を聴いてあげることが出来ているのだろうか?」という疑問を感じていたので、話はすんなりと進みました。今回は自覚できているが故の難しさがあって、それは相手が子供たちであること、そして今まで学校としても対応したことのないコロナ禍での学校生活をどう過ごせばいいのか、先生たちだけではなかなか答えが出しにくいものであるということがあります。

 

それでも、担任の先生として、子供たちに対して今のこの社会全体について思うことをもっと伝えていけばいいと悟っていただきました。情報が多い中、色々と伝えてしまうのはかえって子供たちに不安を与えてしまうのではないか、という懸念があったそうですが、これからはそういうことを超えて、今の日常を伝えていくことで、少しでも子供たちに今の学校生活がどうしたら楽しいものになるのかを伝えていくことにします、と仰っていた高橋先生の決意の深さを感じました。

 

併せて、学校の場での傾聴カウンセリングという記事もご覧ください。

 

そして、傾聴とは?の記事もご覧ください。

 

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