傾聴をするときに2人で会話をするテンポはどのように作ったらいいのか?

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傾聴をするときに、実際クライアント(話し手)とカウンセラー(聴き手)と2人でやり取りをしながら傾聴時間を作っていくことになりますが、このときに2人でのやり取りをどのようにしたらいいのか、また2人のやり取りはどんな感じなのか、と感じる方も多いと思います。クライアント(話し手)の視点とカウンセラー(聴き手)の視点は当然違いますが、共にこの傾聴時間を作っていくという意味では同じであります。

 

ただ、傾聴はあくまでもクライアント(話し手)が主人公の時間です。クライアントや話し手のことを想い、そしてカウンセラーや聴き手が無理をすること無く、傾聴時間を作っていくためにはどうしたらいいのか、これにはちょっとしたコツがあります。これはお互いが会話をするときのテンポをどのようにしたらいいのか、ということに繋がっていきます。傾聴とはある意味において会話です。傾聴に限らずいい会話には必ずリズムがあります。

 

ただ、傾聴で言うところのリズムがいいというのは、ノリがいいということではありません。リズムがいい状態とは、クライアントや話し手が心地良く話していたり、安心して自分のペースで話をしている状態のことです。カウンセラーや聴き手はこういうことを意識しながら、傾聴をすることになります。

 

そこで今回は、傾聴をするときに2人で会話をするテンポはどのように作ったらいいのかについてご説明いたします。これを読めば、カウンセラーや聴き手が会話のテンポの作り方のコツが分かり、クライアントや話し手が安心して傾聴を受けることが出来るようになります。

目次

会話のテンポを作る2つの考え方

1.カウンセラーや聴き手がクライアントや話し手のテンポに合わせる

1つは、クライアントや話し手の声色、声のトーン、声の強さ、声の高さ、話すスピードなどの特徴を良く見ながら、クライアントや話し手の話し方の雰囲気を真似をします。これをぺーシングと言いますが、2人が同じテンポに近づくことで会話がし易い関係になりやすい効果があります。しかし、これだけでは十分ではない場合があります。

2.カウンセラーや聴き手がクライアントや話し手よりゆっくりめのテンポにする

もう1つは、カウンセラーや聴き手があえてクライアントや話し手よりゆっくり、そして声のトーンを低めにして話すことです。特に、次の2つの場合に効果があります。

①同一化の状態

同一化とは簡単にいうとクライアントが感情的になって我を忘れている状態のことです。感情が溢れすぎている人は目の前に誰がいても関係なく、ただひたすら自分本位で話し続けます。

②分離の状態

分離とは自分と感情を完全に切り離していて、自分の中の感情を全く見ることができなくなっている状態のことです。知的に持論を展開しながら話したり、状況の説明だけを延々と話し続けます。心が込もっていないので、感情的な話は無く、頭だけで考えて話しているのが分離の状態です。

同一化の状態の人と分離の状態の人の共通点

私がお受けしたクライアントや話し手から感じたことですが、同一化の状態の人も分離の状態の人も「自分の感情をちゃんと把握できていない」という点で問題の本質は同じです。同一化の状態にある人や分離の状態にある人には、カウンセラーや聴き手が応答を少しゆっくり目にして、トーンを低めにして落ち着かせるようにするとうまくいきます。本来は話し方をゆっくり目にしてトーンを低くするというテクニックが重要ではありません。

会話のテンポの作り方のコツとは?

カウンセラーや聴き手自身がクライアントや話し手の心の状態をちゃんと観察しながら、自分の内面に受け止めようとするのには「間(ま)」が必要になります。受け止めるためには時間を溜めることが必要になりますので、ゆっくり目にならざるを得ないというのが本当のところです。でも、そんな理屈よりもまずは形だけでもいいので、ゆっくりと声のトーンを少し落としてみるといいです。これをするだけでカウンセラーや聴き手自身の中に間(ま)ができるし、クライアントや話し手が少し落ち着いてくるメリットがあります。

 

併せて、傾聴とは?の記事もご覧ください。

 

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