気付きを得られない人とどう関わればいいのか、傾聴の観点から考察する

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「この人、気が付いたらきっと良くなると思うんだけど…」というときってありませんか?私自身、仕事柄良くあります。私が気付いたから教えてあげようって思うこともあります。教えてあげてその人がその通りに感じてくれて、実践してくれたら教えてあげたいですが、なかなかそう簡単にはいきません。そもそも気付きというのは、その人が自ら気付いて初めて気付きと言えるわけです。

 

そこで今回は、気付きを得られない人に対してどう対応したらいいのか、傾聴の観点からご説明いたします。これを読めば、どうして気が付かないんだろうと歯がゆい想いをしている人がその背景を理解し、傾聴の大きさを実感することができます。

目次

人はどうなった時に気が付くのか?

気付きについてですが、心情的な視点から次に2つのことが挙げられます。

気が付かないのは、気が付かない背景がある

人は、気が付かないことで自分自身を保っています。気が付かなかったからこそ、気付かないという選択をすることができます。結果、それで自分自身を守ることにも繋がっています。また、気が付くことは良いこととだと思うのは、逆に気が付かないことはいけないことだという価値観があるからそのように思うわけです。それは善悪の思考に偏ってしまっています。気が付かせようとするのは、気付いて欲しい側の欲でしかありません。

気が付く、気が付かないは、その人自身のタイミングでしかない

気付きそのものは大切です。でもそれはその人が自ら気が付いてはじめて生きてきます。他人が気が付かせようと急いで得られた気付きは、その人が悟った気付きではないので、本当の気付きとは程遠いものです。気が付いた瞬間は、ハッと目が覚めたような感覚で、あるいは体に電気が走るような刺激があると感じた人もいると思います。

 

でも、その時の気づきがいまどれくらい役立っているかちょっと振り返ってみてください。ものすごい転換期になっているという人もいれば、あのとき気づいたはずなのに人生はあまり変わっていないという人もいるでしょう。気付きに大切なのは強い刺激よりも、気づいた瞬間に、何か行動を起こさずにはいられなくなり実際に動き出してしまうエネルギーがあるかどうかです。

まず、気が付かないことを許す

気が付くためには、気が付かないことでエネルギーを補給する必要があります。気付きを急がしてしまうことはエネルギーを補給することを妨げてしまいます。1日中、気付きがあることなんて不可能です。気が付かない時間も大切です。ですから、気が付かないことを許してあげてください。

「北風と太陽」お話をご紹介します

ここで分かりやすい例として「北風と太陽」お話をご紹介します。北風と太陽は、どちらが早く旅人が着ているコートを脱がすことができるかを競争します。北風は、強風で吹き飛ばそうとし、旅人は、ますます深々とコートを着込む。そして太陽は輝いて、温かい熱を届け、今度は旅人は自らコートを脱ぐ。

 

気が付かない人に寄りそう姿勢がコートを脱がないことを認める太陽に似ています。気が付くとは、気が付かないことを許してはじめて生まれのです。それまでは暖かく傾聴してあげるべきです。

気が付かせたいと思う人の心の持ち方

ただ、実際早く気が付いて欲しいと思う人にとっては、深く傾聴することはとても歯がゆいものなのです。気が付いて欲しい人が、気が付いた姿を見たくて仕方ないのです。ですが、気が付いて欲しいと思うことと、気が付かせようと策略するのは全く別物です。

 

気が付かせようというのはその人のになります。相手にどう接するかの前に、どうして自分は気が付かせたいのか?自分との心と対話をすることで、気が付かない相手と向き合うときのストレスが減ります。これが気が付かせたいと思う人の心の持ち方になります。「この人、気が付いたらきっと良くなると思うんだけど…」こういうことは考えなくていいのです。聴き手が話し手に対しての欲をいかに排除できるか。ここが傾聴の一番難しいところなのかもしれません。

 

併せて、傾聴とは?の記事もご覧ください。

 

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