傾聴の基本スキルとは、あいづち、繰り返し・要約・伝え返し、そして質問といったこの3つのスキルになります。この3つのスキルについては、書籍を読んだり、研修に参加したり、そして当ブログを読んで知っている人もいるかと思います。当ブログでは、傾聴に必要な3つの基本スキルについてという記事に詳しく書いていますので、是非お読みください。話を戻しますが、この3つの基本スキルはそれぞれ別々に書籍に書かれたり、研修でセミナー講師も別個に説明することがほとんどかと思います。
そこで今回は、傾聴の3つの基本スキルがどのように繋がっているのかについて、ちょっとした事例を用いながらご説明いたします。これを読めば、傾聴の3つの基本スキルが実際のカウンセリングでどのように用いられているのか、またどのような役割があるのかが分かります。
目次
傾聴の3つの基本スキルがどのように繋がっているのか
傾聴の3つの基本スキルであるあいづち、繰り返し・要約・伝え返し、そして質問が実際のカウンセリングの場において、独立しているものではなくて一つひとつが繋がりがあるものなのです。それではどんな繋がりがあるのかと言うと、簡潔に2つご紹介いたします。
- あいづちをしながら、次に繰り返す必要があるかどう
か決断する - 繰り返しをしながら、次に質問する必要があるかどうか決断す
る
このようにクライアント対して、ただあいづちを入れる、繰り返しをする、質問を入れるというだけではなく、カウンセラーである私が私自身の心を整えて次にどのようにクライアントに接するのかを決めるという役割があるのです。実は、これは誰にも知られていない非常に重要な役割になります。
誰にも知られていないカウンセラーの重要な役割について
このことについて架空の設定ではありますが、会話形式で具体例を挙げてご説明いたします。
誰にも知られていないカウンセラーの重要な役割を表す具体例
クライアント「私の人生は、浮き沈みの激しい人生だったんですよね。」
まずこのように話したクライアントがいたとします。そのときにまず、カウンセラーはあいづちが入ります。
カウンセラー「あー、そうなんですねー。」
そしてその次に、繰り返しが入ります。
カウンセラー「(あーそうなんですねー。)浮き沈みの激しい人生だったんですね。
こうやってあいづちを入れながら、クライアントの言葉を十分に受け止めて落とし込む時間にもなっています。そして、「浮き沈みの激しい人生だったんですね」と繰り返しを入れながらカウンセラーの中で、「浮き沈みの激しい」というクライアント独自の感覚を心に落とし込む時間を取っています。
そして、繰り返しをしながらクライアントが言わんとする「浮き沈みの激しい有り様」を自分にはまだちゃんと理解できていない。
疑問があると感じたら繰り返しの後に、
カウンセラー「浮き沈みの激しいと言いますと?」
と気持ちを確認する質問をします。
カウンセラーが自分の心を整えて、クライアントにどのように接するのかを決める役割
ということで、傾聴の3つの基本スキルであるあいづち、繰り返し(要約・伝え返し)、そして質問をただ単に相手に応答するというだけでなく、カウンセラーの心に受け止め落とし込み、カウンセラーの心を整えるためにも必要なものなのです。
傾聴の3つの基本スキルはクライアントのためだけでなく、カウンセラーのためにもなっているのです。カウンセラーが自分の心を整えて、次にクライアントにどのように接するのかを決める。これは傾聴カウンセラーの役割です。この役割を担えるのは傾聴カウンセラーの醍醐味でもあります。もし良かったらそのように使ってみてください。今までよりも余裕を持って傾聴に臨めるはずです。
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